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電気窃盗男が逮捕。コインランドリーで寝袋持参でパソコンを充電

電気窃盗男が逮捕。コインランドリーで寝袋持参でパソコンを充電

2019年12月3日、住所不定無職の男がコインランドリーの電気を盗んだ疑いで兵庫県警に逮捕されました。

男は雨をしのぐために営業時間外のコインランドリーに侵入、パソコンを充電しながら寝袋で寝ていたところを通報され現行犯逮捕されました。

逮捕された男は「勝手に電気を使っていたことは間違いありませんが、このようなことで逮捕されるのは納得いかない」と話しているそうです。

電気窃盗とは?

電気窃盗とは、その名の通り電気を盗む行為のことをいいます。

男は「こんなことで」と言っていますが、電気を盗む行為は立派な犯罪です。

刑法にもしっかりと規定があります。

刑法235条
「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」
刑法245条
「電気は、財物とみなす」

電気窃盗の歴史

元々の刑法には、刑法235条の規定はありましたが、刑法245条の規定はありませんでした。

1901年(明治34年)に電力会社に無断で電気を使用していた男が逮捕されます。
そして、窃盗の容疑で一審では有罪を受けます。

しかし、二審では無罪となります。
刑法235条で「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とする」と規定されていることを逆手に取り、「電気は形がないので『財物』には該当しない」と男が主張したためです。

明らかに悪意のある行為であったとしても、法律に規定がなければ罰することはできません。
そのため、電気は「財物」に当たるのかどうかが論争となりました。

最終的には、この事件は最高裁で有罪となりました。
電気は触ると感電することから、「目には見えないがそこに存在することが確認できる」として最高裁は「電気は財物である」とみなしました。

そして、事件から6年後の1907年(明治40年)に刑法245条で「電気は、財物とみなす」と明記されるようになりました。

マックやスタバでスマホを充電するのは違法なの?

カフェの座席でスマホなどを充電するのは電気窃盗にあたるのでしょうか?

基本的には充電してもOKです。
お店側がサービスとして、わざわざ座席にコンセントを用意してくれているような場合は充電しても大丈夫です。

トイレでウォシュレットのマシンが給電しているのをコンセントから外して、自分のスマホを充電するのは違法です。
顧客用のもの以外、業務用のコンセントから充電するのはダメです。

ファミレスなどで壁際にコンセントがあって、「これはどっち?」と思った時には店員さんに許可をもらってから充電しましょう。

可罰的違法性とは?

可罰的違法性とは、たとえ違法行為であったとしても「罰するに値するかどうか」という考えのことをいいます。

たとえば、制限速度60kmの公道を61kmで走行すると違法です。
しかし、現実問題としてこれで逮捕されることはありません。

また、道端で1円玉を拾ったとします。
落とし物を拾ったときに警察に届け出ずにネコババすると「遺失物横領罪」にあたります。
しかし、現実的な問題として1円を着服したところで罪に問われることはありません。

「厳密に法律を適用すると違法にはなるが、社会に与える影響が極軽微である場合には罪には問わない」
という考え方が法律の世界ではあります。

いちいちこういったことに関わっていると、警察の業務がパンクするから細かいことは無視しようという感じです。

微罪処分とは?

微罪処分」とは、「警察官」の裁量で無罪にすることをいいます。
(厳密には法律用語では無罪ではないですが、一般的な感覚では無罪でいいと思います)

似たような言葉で「不起訴処分」というものがあります。
「不起訴処分」は、「検察官」の裁量で無罪にすることをいいます。

犯罪を犯してから裁判になるまでの流れとしては、「警察」が捜査をしてから「検察」が起訴をします。
ニュースなどで「書類送検」という言葉を耳にすると思いますが、あれは「警察」の担当から「検察」の担当に段階が移行しましたという意味が含まれています。

可罰的違法性の考えに則り、裁判や検察の前の段階で処理するのが「微罪処分」ということですね。

微罪処分にはおおまかな基準があり

  • 被害金額が2万円以下
  • 悪意がない
  • 被害者が処罰を望んでいない

ような場合には罪には問われません。

スマホの充電の場合は、被害金額が1円くらいです。
よほど悪質でない限りは有罪になることはありません。

注意してもやめないなど、行為が悪質な場合はたとえ被害金額が1円程度であっても「微罪処分」が適用されずに刑事事件に発展する可能性があります。

まとめ

無断で電気を使用すると「窃盗罪」が適用されます。

現実的には刑事事件まで発展することは少ないですが、違法であることには変わりはありません。

外出先で充電するときは店員さんや家主などに一声かけましょう。

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