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雑誌の号数はなぜ先の月になるのか?

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雑誌の号数はなぜ先の月になるのか?

雑誌を買うとき、発売日と号数の月が一致しないことに気づいたことはありませんか?例えば、4月に発売される月刊誌は5月号となっています。これはなぜでしょうか?実は、この習慣は大正時代から始まり、雑誌の販売競争や配送の問題、季節感の演出などが関係しています。現在では、日本雑誌協会の自主規制により、雑誌の号数には一定のルールがあります。

雑誌の号数の歴史

雑誌の号数の習慣は、大正時代に婦人雑誌の販売競争が激化したことがきっかけとなりました。当時の婦人雑誌は、季節を先取りした内容の記事が多く、例えば春のファッションや料理を紹介するために、3月に発売される雑誌は4月号として出版されました。これは、読者に新鮮さや旬感を与えるとともに、他の雑誌との差別化を図るためでした。

また、当時は全国に配送するのに時間がかかり、雑誌が書店の店頭に並ぶのが遅れる地方がありました。例えば、東京で3月10日に発売された雑誌が、北海道では3月15日になっても届かないということがありました。そうすると、3月号と表示された雑誌は、北海道の読者にとっては古く感じられる可能性がありました。そこで、出版社は、発売日より先の号数を表示することで、地方の読者にも新鮮さを保とうとしました。

さらに、当時の出版社にとっては、発売日を特定の日に集中させないことも重要でした。たとえば、4月号を4月に出すとすると、多くの出版社は1日でも長く書店に雑誌を置きたいので、発売日は4月1日に集中してしまいます。これでは、自社の雑誌が目立たなくなるし、雑誌を扱う書店のほうも大変です。そこで、出版社は、発売日をずらすことで、自社の雑誌に注目を集めようとしました。

雑誌の号数の理由

雑誌の号数の習慣は、大正時代から始まりましたが、現在でも続いています。これには、次のような理由があります。
鮮度の問題:雑誌は基本的に売り切れとならない限り、次号が発売されるまでの一定期間(月刊誌なら30日間)は店頭で販売されます。たとえば、3月10日発売の月刊誌の号数を「3月号」とすると、4月10日までは店頭で販売されますが、4月に入れば賞味期限切れで買ってもらえなくなる可能性が高くなります。したがって、雑誌を販売する出版社としては、実際の発売日よりも先の号数を表示する方が、読者に良い印象を与えることができます。
季節感の問題:雑誌は、季節に関連した内容の記事が多いです。例えば、夏の旅行やレジャー、秋の読書や芸術、冬のスキーや温泉などです。これらの記事は、読者に季節を先取りさせるとともに、計画や準備を促す効果があります。しかし、実際の発売日と号数の月が一致すると、季節感がずれてしまいます。例えば、8月に発売される雑誌が「8月号」とすると、夏の記事はすでに過ぎ去った感がありますし、秋の記事はまだ早すぎる感があります。そこで、雑誌は、実際の発売日よりも先の号数を表示することで、季節感を演出することができます。
読者の心理の問題:雑誌は、読者にとっては、情報や娯楽の提供だけでなく、自己表現や自己満足の手段でもあります。例えば、読者は、自分が読んでいる雑誌の号数やジャンルやテーマによって、自分の趣味や嗜好や知識をアピールしたり、自分のステータスや流行に敏感であることを誇示したりすることができます。しかし、実際の発売日と号数の月が一致すると、読者は、自分が読んでいる雑誌が古くなってしまったと感じたり、他の読者と同じであると感じたりすることがあります。そこで、雑誌は、実際の発売日よりも先の号数を表示することで、読者に新しさや先進性や個性を感じさせることができます。

雑誌の号数のルール

雑誌の号数の習慣は、大正時代から始まりましたが、その後も変化しました。実際の発売日より数か月先の号数を表記した雑誌も現れるなどして、書店や読者を混乱させることもありました。そこで、1986年、日本雑誌協会により自主規制が制定され、雑誌の号数については、次のようなルールが定められました。
週刊誌:発売日から15日先までの月日
旬刊誌・遠週刊誌・月2回刊誌:発売日から1ヵ月先までの月日(月・旬)
月刊誌・隔月刊誌:発売日から40日先までの月号
季刊誌:発行期間を示す季節(その季節を表す文字)
増刊号:発売日から40日先までの月/日号、もしくは月号

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