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北海道はなぜ県ではなく道なのか?
日本には47都道府県がありますが、その中で北海道だけが「道」と呼ばれています
この「道」には、どのような歴史や意味があるのでしょうか
まず、「道」という言葉の起源は、古代中国にさかのぼります
中国では、地方行政の基本区分として「道」が用いられていました
日本でも、7世紀後半に天武朝が成立すると、中国の制度にならって「道」が導入されました
このとき、都に近い5つの国を「畿内」とし、それ以外を「東海道」「東山道」「北陸道」「山陰道」「山陽道」「南海道」「西海道」の7つの「道」に分けました
これが「五畿七道」と呼ばれるものです
しかし、この五畿七道には、北海道は含まれていませんでした
北海道は、当時「蝦夷地」と呼ばれており、「異民族の住む地」という意味がありました
江戸時代になると、ロシアの南下政策によって、日本の北の境界が問題となりました
そこで、蝦夷地の名称を変えるべきだという意見が出されましたが、実現するのは明治になってからでした
明治2年に、蝦夷地は「北海道」と命名され、11カ国に分割されました
これによって、北海道は日本の版図であることが、内外に示されました
北海道は、五畿七道に加わって「五畿八道」となりましたが、他の道とは違って、道でひとつの行政単位となりました
他の道には、いくつもの国が属しており、それぞれが独立した行政区域となっていましたが、北海道に設定された11か国は、独立した行政区域とはみなされませんでした
明治2年には、開拓使という官庁が設置され、北海道全体を管轄しました
開拓使は、十年計画のもとで開拓を進めましたが、北海道を11か国に分けるのは公務員が増えて無駄が多いと批判も多く、内閣制度発足に伴って廃止されました
その後、北海道には3つの県が設置されましたが、すぐに廃止され、北海道庁が設置されました
以来、北海道は全体でひとつの行政区域となっています
北海道の「道」は、古代中国から始まった地方行政の区分であり、日本の北の版図であることを示す名称でもあります
また、北海道は、道でひとつの行政単位となっており、他の都府県とは異なる特徴を持っています
北海道の「道」には、このような歴史と意味があるのです
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