「ニホン」と「ニッポン」どっちが正しい?
「ニホン」と「ニッポン」どっちが正しい?
日本の読み方は「ニホン」と「ニッポン」のどちらでも間違ってはいません。日本国憲法や日本の法律でも日本の読み方について明確に定められている項目はありません。政府でも、日本を「ニホン」「ニッポン」どちらで呼ぶのかについては決めていません。日本国中でどちらの読み方も広く普及していますよね。そのため、どちらか一方に統一する必要はないと考えられているそうです。
読み方が自由である一方で、NHKでは正式な国号として扱う場合には「ニッポン」、それ以外の場合は「ニホン」と独自の取り決めをベースに読まれています。
かつてはニッポンに統一する動きも?
「ニホン」と「ニッポン」の読み方を統一しようとする動きが、かつて何度かありました。最初にこのような動きがあったのは1930年代のことで岡田啓介が内閣総理大臣を務めていた頃。また、1960年代に佐藤栄作が内閣総理大臣を務めていた時にも同様の動きがありました。どちらも読み方を「ニッポン」に統一しようとするものでしたが、結局は結論が出ずに終わりました。
麻生太郎総理大臣のときには「いずれも広く通用しており、どちらか一方に統一する必要はないと考えている」という発表もあり、現在ではあまり論争になっていません。
しかし、自分の国名の読み方が「ニホン」「ニッポン」と統一されておらず、人や場合によって読み方が違うのは冷静に考えると不思議に感じる人もいるでしょう。
国名が日本となったのはいつから?
日本という国名が初めて登場したのは飛鳥時代のことでした。「日の本の国」という意味から「日本」という言葉が誕生し、大化の改新が起こった頃には「日本」という表記が存在していました。しかし、読み方は現代のように「ニホン」や「ニッポン」ではなく、当時は日本と書いて「やまと」と読んでいたようです。
「やまと」という読み方は、昔の国号であった「大和」から引き継がれたものです。また、「日の本の国」であることから、「ひのもと」と読まれることもあったそうです。
現代と同じ読み方である「ニッポン」が初めて登場したのは奈良時代以降だとされています。当時は遣唐使が派遣されるなど、中国との交流が盛んな時代でした。そのため、中国から伝わった「呉音読み」、いわゆる漢字の「音読み」が日本でも多く使われるようになりました。「日本」を音読みにすると「にちほん」となり、これが訛って「ニッポン」という読み方が誕生したとされています。
また、中国人は日本のことを「ニエットプァン」と発音していました。この中国人の発音を日本人がマネした結果、日本を「ニッポン」と呼ぶようになったとされています。「ニッポン」という読み方には、中国文化の大きな影響があったのですね。
「日本」の読み方として広く根付いている「ニホン」ですが、実はいつ頃から「ニホン」と読まれるようになったのか、明確にはわかっていないのです。
通説では、平安時代にひらがなが生まれた頃に「ニホン」という読み方も誕生したといわれています。昔のひらがなには、促音の「っ」や半濁音の「ぽ」がなかったことから、「ニッポン」が「ニホン」になったという説です。
他にも「ニホン」という読み方は江戸時代に始まったという説もあります。江戸っ子はせっかちだと広く知られていますが、早口でしゃべっているうちに「ニッポン」が徐々に簡略化されて「ニホン」となったという説です。
現在もその名残りからか、江戸のあった東京では「日本橋」を「ニホンばし」と呼び、大阪では「日本橋」を「ニッポンばし」と呼びます。
なお、現代では日本を「ニホン」と読む人の方が多く、「ニッポン」は少数派となっているそうです。
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