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末期がんで入院中の男 指名手配の桐島聡容疑者と判明

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概要

1970年代の連続企業爆破事件の容疑者として指名手配されていた東アジア反日武装戦線のメンバー、桐島聡容疑者(70)とみられる男が神奈川県内の病院に入院していることがわかった。
男は「自分は桐島聡」と名乗り出て、事件当時の詳細な話を警視庁公安部に対して行っている。
警視庁はDNA鑑定などで身元の確認を急ぎ、桐島容疑者と特定し次第、約49年の逃亡生活の解明を進める。

詳細

指名手配の経緯

桐島聡容疑者は、1970年代に日本のアナーキズム新左翼過激派である東アジア反日武装戦線のメンバーとして、海外進出企業などを標的にした連続企業爆破事件に関与したとされる。

1975年4月18日には、東京の銀座にあった韓国産業経済研究所のビルに手製の時限信管付爆弾を仕掛けて爆発させ、ビルの一部を損壊させた。この事件について、桐島容疑者は爆発物取締罰則違反の疑いで同年5月に指名手配された。

その後、桐島容疑者は逃亡を続け、捜査関係者によると、これまで所在につながる有力な情報はなかったという。桐島容疑者は、東アジア反日武装戦線のメンバーの中で、一度も逮捕されていない唯一のメンバーであり、前科もないとされる。

桐島容疑者の時効は、事件を共謀したとして逮捕、起訴された大道寺あや子容疑者(75)が1977年に日本航空機をハイジャックしたダッカ事件超法規的措置により釈放され、国外逃亡したことから停止している。しかし、大道寺容疑者と共犯ではない事件に関しては公訴時効が成立している。

入院と名乗り出

2024年1月25日、桐島聡と見られる男が入院している旨の情報提供が警視庁になされたことを受け、警視庁公安部による男の特定作業が開始された。翌日、男が神奈川県内の病院に偽名で入院しているところを警視庁公安部によって、その身柄を確保された。

男は既に事情聴取に対して、事件の関係者しか知り得ない当時の状況などについて話しており、こうした状況から、警視庁公安部は男が桐島容疑者である可能性が高いとみて、現在、DNA型の鑑定を進めている。男は桐島を名乗っているが、50年近く逃亡していたことから、特定作業は困難を極めるとの見方もある。

男は、末期がんを患っていて、ことしに入ってから入院していたが、当初は偽名を使って入院していたとみられている。しかし、25日になって病院関係者に「自分は桐島聡」と名乗り出た。病状は深刻で「最期は本名で迎えたい」と話しているという。

警視庁は、男の身元の確認とともに、桐島容疑者と特定し次第、約49年の逃亡生活の解明を進める。桐島容疑者は、1974年8月の三菱重工ビル(東京)前の爆発では8人が死亡、約380人が負傷するなど、多数の犠牲者を出した事件にも関与したとされる。警視庁は、桐島容疑者の動機や背景、逃亡先などについても詳しく調べる方針だ。

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