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ストリートファイター5の優勝賞金500万円から10万円に減額。JeSUプロライセンスが影響

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先日開催された『東京ゲームショウ2019』で『ストリートファイター5』の競技会が行われました。
カプコンプロツアー2019スーパープレミア日本大会、通称「CPTアジアプレミア」。

優勝賞金500万円

東京ゲームショウ」は日本で一番大きなゲームの祭典。
しかも、近年注目されるeスポーツの大会とあって賞金額は500万円に。

実際に支払われた賞金は10万円

総勢1,018名の中から優勝したのは「ももち選手」

せっかく優勝したのに支払われた賞金額はたったの10万円でした。
(賞金6万円+副賞パソコンのモニター4万円)

賞金の受け取りにはプロ契約が必要

大会の規定でも事前に告知されていたことなのですが、満額の賞金を受け取るにはJeSUのプロライセンスが必要でした。

高額な賞金を支払うと法律に違反する可能性

日本では景品表示法というものがあり、賞金額に制限があります。

もしも、
うまい棒を300円に値上げします。その代わり購入者の中から抽選で◯名様に10億円あげます。」
と販売元のやおきんが発表したらどうなるでしょうか?

実質的に「うまい棒10円+290円の宝くじ」がセットになっているようなものですね。

これを許すと誰でも「宝くじ」を販売できる状態に。
それは好ましくないということで法律で制限がされています。

賞金の抜け道

実は、高額賞金を支払うための抜け道があります。
それは、賞金ではなく別の名目でお金を支払うこと。

たとえば、

  • 優勝した人とタレント契約を結ぶ

芸能人がお金をもらってCMに出たり、商品の広報活動をするのはよくあります。
仕事の対価として金銭を支払うことは違法ではありません。

優勝者に直接お金を渡すと違法になる場合でも、仕事を依頼し、その対価としてならば自由に金額を設定できます。

ももち選手がプロライセンスを取得しない理由

賞金減額は初めてではない

ももち選手が商品の支払いを拒否されたのは今回が初めてではありません。

2018年にも別の大会で、賞金50万円が10万円に減額されました。

しかし、その大会は海外で行われた物で、以前は普通に賞金が支払われていました。
JeSUの介入により2018年大会から非プロの賞金が10万円に減らされました。

ももち選手がプロライセンス契約を拒否する理由

「制度を作りたい・作ろうとしている側の人たちが一方的に何か得をするような仕組み」

一部の企業が主導し、プレイヤーをプロとそれ以外に分けることは好ましくないというのが主な理由のようです。

JeSUとは?

ゲーム業界のプロライセンスを発行しているのはJeSU(Japan eSports Union)
eSportsの普及活動を行う非営利組織です。

これら3つの組織が合併してできた業界団体です。
設立は2018年。

ライセンスの取得・更新は有料

プロライセンスを取得するには5,000円が必要です。
2年ごとに更新も必要。

「スト5」大会の参加者は1,018名。
全員がライセンスを取得したら参加者からのライセンス料だけで500万円ですね。

賞金を受け取りには有料のライセンスを取得しなければならない。
そうなると多くの人がライセンスを取得するでしょう。

すると、

  • 多数の人からライセンス料を徴収する
  • 賞金をもらえるのは1部の人だけ

結局は、形を変えただけの「宝くじ」システムと変わらないわけです。

お国の見解

JeSU消費者庁に問い合わせたところ
「eSportsの大会で賞金を支払う場合に、プロ契約をしていなくても仕事の報酬と認められる場合は違反にならない。」
という趣旨の回答がありました。

ネットの声

「ライセンス料を納めないと商品を払わないというのは結局は営利目的ではないか」という批判が多く上がっています。

今後eSportsがどういう方向に進んでいくのか注目です。